消費者と企業は長い対立構造の歴史があります。利益を追求する企業と利用する消費者との相反する利益の対立です。消費者は消費者主権( consumer sovereignty)を主張し、経済活動においての主権は消費者側にあるとします。そして、ケネディーアメリカ大統領は、消費者の4つの権利を言い、我が国でも消費者主権が叫ばれるようになりましたが、消費者主権の確立には難しいものが有りました。しかし、企業は、時代が変わり企業はストックホルダー(株主)のためのみではなく、ステークホルダー(株主を含む関係者すべて=顧客、地域社会、取引先、従業員その他)のために存在するとの考え方が広まりつつあります。かつ、ESG投資やSDGs等の企業に対する社会性が求められ、消費者が主権を主張するまでもなく企業は消費者を重要視する姿勢に変えざるを得なくなりました。そのために、消費者はどちらに主権があるかと争うのではなく消費者と企業が共に適正な経済活動、社会活動を行うべきとの思想が広がってきました。従って、消費者団体が政党に利用されたり政治思想に左右される時代は終わりに向かっています。消費者と企業の対立構造も終焉を迎えたと言えると考えます。一般社団法人全国消費者協会は「企業が、消費者に、良い商品、良い役務を提供することは、消費者と企業の共通の願いです。」と主張している。